こんにちは、Tech Samuraiです!
前回の記事「【ドローン練習法】HS155レビュー続編!」では、室内での地道な練習を重ね、このドローンの繊細な操縦感覚をマスターする方法を探検しました。
さて、基礎訓練はもう十分です。いよいよHS155を広い空へ連れ出し、その真価を問う時が来ました。今回の完結編では、
- GPSを有効にした屋外での飛行安定性
- 多くの人が最も気になるであろう、カメラの性能
この2点について、私が実際に飛ばし、撮影した経験から、一切の忖度なしの**正直なレビュー**をお届けします。果たして、この手頃なホビードローンは、どこまで「空撮」の夢を叶えてくれるのでしょうか?
屋外フライト体験:GPSの恩恵と、風との戦い
近所の安全な広場にHS155を持ち込み、いよいよ屋外での初フライトです。
離陸前の「待ち時間」
まず驚いたのが、GPSの受信にかかる時間です。室内とは違い、屋外ではGPSモードでの飛行が基本となります。電源を入れてから、コントローラーが衛星を十分に捕捉し、GPSモードが有効になるまで、体感で2分近く待つ必要がありました。逸る気持ちを抑え、じっと待つ時間も、安全なフライトの一部ですね。
GPSの安定性:過度な期待は禁物
GPSがロックされ、いざ離陸! 室内での常に流される感覚とは違い、確かにある程度はその場に留まってくれます。これは間違いなくGPSの恩恵です。しかし、「その場でビタッと静止する」という、上位機種のような安定性を想像していると、少し裏切られるかもしれません。
HS155は**本体が非常に軽いため、わずかな風にも煽られてしまいます。**GPSが必死に位置を修正しようと頑張るのですが、結果として風と戦うために機体が常に小刻みに揺れているような状態になりがちでした。安定性は、やはり価格相応といったところです。
飛行時間:夢中になれる10分間
風と戦いながらも、屋外でのフライトはやはり爽快です。夢中になって飛ばしていると、**約10分ほど**でバッテリー低下の警告音が鳴り始めました。予備バッテリーの重要性を改めて実感する瞬間です。
核心のカメラ性能レビュー:これは「空撮機」なのか?
さて、最も気になるカメラ性能です。結論から言うと、これは**「空からの景色を記録できるおもちゃ」**であり、美しい「空撮作品」を撮るためのものではありませんでした。
映像が揺れる「こんにゃく現象」
録画した映像をPCで確認して、まず気づくのが、映像全体がプルプル、ゆらゆらと揺れる、通称**「こんにゃく現象(Jello effect)」**です。これは、モーターの微細な振動が、カメラに直接伝わってしまうことで発生します。高価なドローンには、この振動を吸収する**ジンバル**という機構が搭載されていますが、HS155にはそれがありません。
機体の動きがダイレクトに反映される
ジンバルがないため、風による機体の傾きや、スティック操作による機体の動きが、**もろに映像の揺れや傾きとして記録されてしまいます。** スーッと滑らかに移動しているつもりでも、映像はガクガクとした、素人っぽいものになりがちです。空からの景色は新鮮で楽しいのですが、映像作品としてのクオリティを求めるのは難しい、というのが正直な感想です。
まとめ:最高の「練習機」、しかし「空撮機」ではない
3回にわたるHolyStone HS155のレビューをまとめます。
このドローンは、100g未満という規制の手軽さと、手頃な価格で、ドローン操縦の基礎を学ぶための**最高の「練習機(トレーナー)」**です。特にGPSが効かない室内での練習は、指先の感覚を養うための素晴らしい訓練になります。ドローンという趣味の入り口として、これほど適した機体は中々ないでしょう。
しかし、もしあなたの目的が「YouTubeやSNSにアップするような、滑らかで美しい空撮映像を撮ること」であるならば、HS155は力不足です。カメラはあくまで「風景を記録できる」おまけレベルと考えるべきです。
このHS155で操縦の基礎を徹底的に練習し、いつか本当の「空撮」をするために、ステップアップしていく。そのための最高の入門機だと感じました。
…そして、練習すればするほど、頭に浮かんでくるのです。
「DJIのMiniが欲しいな…」と。
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