こんにちは、Tech Samuraiです!
プログラミングの世界に足を踏み入れると、必ずと言っていいほど耳にする言葉、それが「Git(ギット)」です。しかし、「黒い画面にコマンドを打ち込む」「なんだか難しそう」といったイメージから、食わず嫌いになっている方も多いのではないでしょうか?
ご安心ください。Gitの基本的な考え方は、驚くほどシンプルです。この記事では、Gitを「ゲームのセーブポイント作成ツール」に例えながら、複雑な概念を一切抜きにして、「これだけ知っていれば、とりあえず開発は進められる!」という必要最小限のコマンドとワークフローに絞って、徹底的に分かりやすく解説します。
Gitとは? 🤔 ゲームのセーブポイントのようなもの
Gitは「バージョン管理システム」です。難しく聞こえますが、要はファイルやフォルダの状態を記録しておくためのツールです。
- コミット (Commit): ゲームで「セーブ」すること。特定の時点でのファイルの状態を丸ごと記録します。
- リポジトリ (Repository): セーブデータを保存しておく、専用のフォルダや場所だと思ってください。
これを使うと、「昨日までは動いてたのに!」「あの機能を追加する前に戻したい…」といった時に、過去の好きなセーブポイントにいつでも戻れるようになります。
ステージ1:基本のセットアップ(最初の1回だけ)
まずはあなたのPCにGitをインストールし、プレイヤーとしてあなたの情報を登録します。これは最初に一度だけ行えばOKです。
1. インストール
お使いのOSに合わせてGitをインストールします。
- Windows: gitforwindows.org からダウンロードしてインストール。
- Mac: Homebrewが入っていれば
brew install git
コマンドでインストールするのが簡単です。
2. 初期設定
ターミナル(WindowsならGit Bashやコマンドプロンプト)を開いて、以下のコマンドであなたの名前とメールアドレスを登録します。この情報は誰がセーブ(コミット)したかを記録するために使われます。
# あなたの名前を登録
git config --global user.name "Tech Samurai"
# あなたのメールアドレスを登録
git config --global user.email "samurai@example.com"
ステージ2:日常的な基本操作(一人での作業)
ここが一番よく使う、基本的な流れです。**「① 変更 → ② 記録するファイルを選ぶ → ③ セーブする」**という3ステップを繰り返します。
Gitが管理する3つのエリア
これを理解するのが上達への一番の近道です。
- ワーキングディレクトリ: あなたが今まさに作業している、普通のファイルやフォルダ。
- ステージングエリア: セーブ(コミット)したい変更を、一時的に置いておく場所。「次のセーブに含めるファイル置き場」というイメージです。
- リポジトリ: セーブデータ(コミット)が実際に保管されている場所。
日常業務フロー 🚶♂️
プロジェクトのフォルダに移動して、以下のコマンドを順番に使っていきます。
git init
(一番最初だけ)
「このフォルダでGitの管理を始めます!」という宣言です。フォルダ内に.git
という隠しフォルダ(リポジトリ本体)が作られます。# このフォルダをGitリポジトリにする git init
git status
(頻繁に使う)
「今の状態はどうなってる?」を確認するコマンド。変更されたファイル、ステージングされたファイルなどが一覧で表示されます。迷ったらまずこれを打ちましょう。# 現在の状態を確認 git status
git add <ファイル名>
(変更をステージング)
変更したファイルを「次のセーブに含めますよ」とステージングエリアに追加します。# 変更があった全てのファイルをステージング(これが一番よく使う) git add .
git commit -m "メッセージ"
(セーブする)
ステージングエリアにある変更を、メッセージ付きでリポジトリにセーブ(コミット)します。メッセージは「何を変更したか」が分かるように書きましょう。(例: “ヘッダーにロゴを追加”)# メッセージを付けてコミット git commit -m "最初のバージョンをリリース"
git log --oneline
(セーブ履歴を見る)
今までのセーブ(コミット)履歴を、1行でシンプルに確認できます。# 今までのコミット履歴を1行で表示 git log --oneline
この add
→ commit
のサイクルが、Gitの最も基本的な使い方です。
ステージ3:チームでの開発(GitHubとの連携) 🤝
一人での作業に慣れたら、次はGitHubなどのWebサービスを使って、他の人と共同作業する方法です。
- リモートリポジトリ: ネット上にある、みんなで共有するための倉庫 (GitHubなど)。
- ローカルリポジトリ: あなたのPC上にある倉庫。
基本的な流れは「ダウンロード → 自分の作業 → アップロード」です。git pull
リモートリポジトリの最新の状態を、自分のPCにダウンロードします。作業を始める前や、他の人が変更した内容を取り込みたい時に使います。 git push
自分のPCでセーブ(コミット)した内容を、リモートリポジトリにアップロードして他の人にも共有します。
チーム開発では **「作業開始前に `pull` → 自分の作業(`add`, `commit`) → キリがついたら `push`」** という流れが基本になります。
ステージ4:ブランチ:Gitの最強機能 🌿
ブランチ(Branch)は「作業の分岐」です。今の状態(セーブデータ)から新しい枝を伸ばして、他の作業に影響を与えずに新しい機能の開発やバグ修正ができます。
main
(または `master`): 本流となる一番大事なブランチ。feature/new-login
: 新機能開発用のブランチ、といったように目的別に作ります。
git switch -c <ブランチ名>
新しいブランチを作成して、そこに移動します。
# "feature/add-button" というブランチを作成して、そこに移動
git switch -c feature/add-button
git switch <ブランチ名>
作業するブランチを切り替えます。
# mainブランチに戻る
git switch main
git merge <ブランチ名>
あるブランチでの変更内容を、今いるブランチに取り込み(合流させ)ます。例えば、機能開発が終わったら、`main`ブランチに切り替えてからマージします。
# feature/add-button ブランチの変更を main に取り込む
git merge feature/add-button
困ったときのコマンド 🆘
- ワーキングディレクトリでの変更を全て取り消したい (addする前)
git restore .
- 直前のコミットをやり直したい
git commit --amend
まとめ
Gitはコマンドが多くて難しく見えますが、日常的に使うのはほんの一握りです。まずは一人での git status
→ git add .
→ git commit -m "..."
のサイクルに慣れるのが、上達への一番の近道です。このチートシートが、あなたの開発の旅の助けになることを願っています!
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