こんにちは、Tech Samuraiです!
新しいOSをインストールするための起動ディスクを作成したり、PC間でファイルをやり取りするUSBメモリを準備したりと、ディスクの「フォーマット」は、PCを深く使う上で避けては通れない作業です。しかし、この操作、OSごとにコマンドが全く違う上に、たまにしか使わないので、いざという時に「あれ、どうやるんだっけ?」と忘れがちですよね。
今回の記事は、そんな未来の自分のための備忘録として、Windows, macOS, Ubuntu (Linux) の3大OSで、コマンドライン(ターミナル)を使ってディスクをフォーマットする手順をまとめた、実践的なチートシートです。
⚠️ 最大の注意点
フォーマットを実行すると、対象のディスク上のデータはすべて消去されます。 コマンドを実行する前に、デバイス名やディスク番号が正しいか、必ず複数回確認してください。
🪟 Windowsでのフォーマット (`diskpart`)
Windowsでは、diskpart
という強力なディスク管理コマンドを使用します。
手順
- コマンドプロンプトを管理者として実行
スタートメニューでcmd
と検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - diskpartを起動
diskpart
- ディスクの識別
接続されているディスクの一覧を表示し、フォーマットしたいディスクの番号(例:Disk 2
)を正確に確認します。list disk
- フォーマットの実行
以下のコマンドを順番に実行します。
# 1. 対象のディスクを選択 (例: ディスク2) select disk 2
# 2. ディスクの内容を完全に消去(クリーンアップ) clean
# 3. 新しいパーティションを作成 create partition primary
# 4. ファイルシステムを指定してフォーマット
# exFAT (Mac/Winと共有する場合) format fs=exfat quick label="MyUSB"
# NTFS (Windowsの標準) # format fs=ntfs quick label="MyUSB"
# 5. 完了後、diskpartを終了 exit
主なオプション: quick
は高速フォーマット、label
はディスクに付ける名前です。
🍎 macOSでのフォーマット (`diskutil`)
macOSではdiskutil
という統合管理ツールを使用します。ディスクに関するほとんどの操作がこのコマンドで完結します。
手順
- ディスクの識別
diskutil list
コマンドで、フォーマットしたいディスクの識別子(例:disk2
)を正確に確認します。diskutil list
- フォーマットの実行
diskutil eraseDisk
コマンドを使います。このコマンドはディスク全体を再パーティション化してフォーマットします。
# diskutil eraseDisk <ファイルシステム> <新しいディスク名> /dev/<識別子>
# APFS (Macの最新標準ファイルシステム) でフォーマット diskutil eraseDisk APFS MyMacDisk /dev/disk2
# exFAT (Mac/Winと共有する場合に最適) でフォーマット diskutil eraseDisk ExFAT SharedData /dev/disk3
# FAT32 (古い機器とも互換性あり) でフォーマット diskutil eraseDisk MS-DOS USB_Stick /dev/disk4
<ファイルシステム>
にはAPFS
, HFS+
, ExFAT
, MS-DOS
(FAT32のこと) などを指定します。
🐧 Ubuntu (Linux) でのフォーマット (`mkfs`)
Ubuntuではmkfs
(make filesystem) というコマンドファミリーを使用します。作成したいファイルシステムに応じてmkfs.ext4
やmkfs.exfat
などのコマンドを使い分けます。
手順
- ディスクの識別
まず、フォーマットしたいディスクのデバイス名(例:/dev/sdb1
)をlsblk
コマンドで正確に確認します。lsblk
- フォーマットの実行
mkfs
コマンドを使ってフォーマットします。sudo
が必要です。
# ext4 (Ubuntuの標準ファイルシステム) sudo mkfs.ext4 -L "UbuntuData" /dev/sdb1
# exFAT (Mac/Winと共有する場合に最適) sudo mkfs.exfat -n "SharedData" /dev/sdb1
# FAT32 (古い機器とも互換性あり) sudo mkfs.vfat -n "USB_Stick" /dev/sdb1
主なオプション: -L
(ext4) や -n`
(exFAT/vfat) で、ボリュームラベル(ディスクの名前)を設定します。
まとめ:3大OSコマンド比較表
項目 | 🪟 Windows | 🍎 macOS | 🐧 Ubuntu (Linux) |
---|---|---|---|
主要コマンド | diskpart | diskutil | mkfs ファミリー |
ディスク識別 | list disk | diskutil list | lsblk |
ラベル設定 | label="名前"` | コマンドの一部として名前を指定 | -L または -n` “名前” |
クロスプラットフォーム形式 | fs=exfat | ExFAT , MS-DOS | mkfs.exfat , mkfs.vfat |
標準ファイルシステム | NTFS | APFS | ext4 |
OSごとに作法は異なりますが、行っていることは「ディスクの特定」と「ファイルシステムの指定」という点で共通しています。このチートシートが、あなたのデータ管理の一助となれば幸いです!
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