こんにちは、Tech Samuraiです!
先日、小型船舶操縦士の免許を取得しました。海という新たなフロンティアへの挑戦に、胸が高鳴ります。しかし、免許取得時の講習で詰め込んだ知識、皆さんははっきりと覚えていますか?
正直に言うと、私は少し自信がありません。特に、夜間に他船の位置や動きを判断するための**「舷灯(げんとう)」**の色や意味は、いざという時に「あれ、どっちがどっちだっけ?」と不安になります。
今回は、そんな私自身のための復習も兼ねて、船舶免許は取ったけれど忘れがちな、安全航行に不可欠なルールや標識に絞った「おさらいノート」を作成しました。海に出る前の、最終確認にご活用ください!
最重要!混乱しがちな灯火・航海灯
夜間、他船が見せる灯火(航海灯)は、その船の種類、大きさ、進行方向、状態を知るための唯一の手がかりです。特に紛らわしいのが、左右を示す舷灯です。
基本の4つの灯火
- 右舷灯 (Starboard Light): 緑色のライト。船の右側、前方から112.5度の範囲を照らします。
- 左舷灯 (Port Light): 赤色のライト。船の左側、前方から112.5度の範囲を照らします。
- 船尾灯 (Stern Light): 白色のライト。船の真後ろから135度の範囲を照らします。
- マスト灯 (Masthead Light): 白色のライト。船の前方、225度の範囲を照らす、マストに設置されたライトです。
【覚え方のヒント】
「左舷のポートワインは赤い」と覚えるのが有名です。「ポート(Port)=左舷」なので、左が赤、と覚えれば、残った右が緑だと分かります。
他船の灯火から動きを読む
夜の海で、あなたから見える灯火の組み合わせで、相手の船の動きが分かります。
- 【赤と緑の両方が見える】→ 相手の船が真正面からこちらに向かっています。衝突の危険!お互いに右に舵を切り、すれ違うのが基本です。
- 【緑だけが見える】→ 相手の船が、あなたの左側を横切っています。あなたが進路を維持する「保持船」です。
- 【赤だけが見える】→ 相手の船が、あなたの右側を横切っています。相手が「保持船」なので、あなたは速度を落とすか、舵を切って相手の進路を避ける「避航船」となります。
- 【白だけが見える】→ あなたが相手の船を追い越している可能性が高いです。
昼の顔:形象物(けいしょうぶつ)
昼間、船が掲げる黒い球や円錐などのマークが「形象物」です。船の特殊な状態を示します。
- 球形(ボール)1個: 錨泊中(アンカーを下ろして停泊中)です。
- 円錐形(コーン)を逆さで1個: 機関(エンジン)と帆を同時に使って走る、機帆走船です。
- 球形・ひし形・球形(上から): 操縦性能制限船。航路の測量や浚渫(しゅんせつ)作業中などで、思うように舵が効かない状態の船です。見かけたら大きく避けましょう。
海の道しるべ:航路標識の復習
港の入り口などで見かける、赤と緑のブイ(浮標)。どちら側を通るべきか、瞬時に判断できますか?
日本の海(とアメリカ大陸、韓国、フィリピンなど)では、**IALA(国際航路標識協会)B水域**というルールが採用されています。
「入港するときは、右側に赤色標識」
これだけ覚えましょう。つまり、港に入るときは、赤い円柱形のブイを右手に、緑の円錐形のブイを左手に見ながら航行するのが正解です。出港時はその逆になります。
汽笛の言葉:音響信号
霧などで視界が悪いときや、お互いの意思を確認するために使う汽笛の信号です。特に重要なものを抜粋しました。(短音:約1秒、長音:約4〜6秒)
- 短音1回: 「私は、進路を右へ変更します」
- 短音2回: 「私は、進路を左へ変更します」
- 短音3回: 「私は、後進(バック)しています」
- 短音5回以上: 「危険!」「あなたの船の動きが理解できません、注意してください!」という警告信号。
まとめ
今回は、船舶免許を取得した後に忘れがちな、しかし安全な航行には絶対に欠かせないルールや標識についておさらいしました。これらのルールは、海の上での世界共通の「言語」です。いざという時に慌てないよう、時々このページを見返して、知識をリフレッシュしていただければ幸いです。安全第一で、素晴らしい海の冒険を楽しみましょう!
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